幼児期の後半、3歳頃になると日中の排泄は次第に失敗しなくなってきます。もちろん遊びに夢中になっていて、尿意を感じたとたんに排尿が始まって失敗することは珍しくありません。日中の排尿をほとんど失敗しなくなると、お母さん達が気にし始めるのは夜の排尿です。
ただ、20年くらい前からパンツ型の紙オシメが一般的になり、夜の排尿のしつけを全くしない家庭もあるようで、小学校の高学年になっても夜の排尿がコントロールできない、つまり尿意を感じても目が覚めない子どもが増えているようです。
夜の排尿は、全くしつけをしなくても10歳ごろには自立するといわれており、10歳を過ぎても夜の排泄が自立できていない場合を夜尿症と呼びます。しかし、昔と違って子ども達が宿泊を伴う野外活動や旅行に出かけることも多くなっていますから、できれば幼児期に夜の排尿のしつけをして欲しいと思います。
日中の排尿のしつけが出来たらすぐに夜の排尿の失敗もしなくなる子どもが少なくありませんが、いつまでも失敗する子どもの様子を観察すると、非常に眠りが深い子どもをよく見かけます。だから無理に起こして便所に連れて行くのはよくないという人もあります。しかし夜の排尿はどうやらこの深く眠り込んだときにしてしまっているようなのです。
子ども達は普通、眠ってから2~3時間で深い眠りに入ります。ときには目が覚める2時間ほど前に深い眠りに入る子どももあり、寝入りばなと目覚める前の2回深い眠りに入る子どももいるようです。
夜の排尿のしつけは、子どもがどの時間帯に排尿の失敗をしているかを調べるところから始めます。排尿の時間は大体決まっていますから、その時間の2~30分前に子どもを起こして便所に連れて行けばよいのです。このとき大切なのは、子どもがハッキリ目を覚ましていることです。目が覚めていないまま便所に連れて行って排尿させることは、便所でオネショをさせているのと同じです。ですから、排泄の自立どころかオネショの習慣を付けているのと同じです。
かなり深い眠りの場合、子どもの上半身を起こして後ろから両脇に手を差し込み、10センチ程度持ち上げて支えをはずして尻餅をつかせれば、たいていの子どもは目を覚ますはずです。そうして便所に連れて行き、排尿を確認したらちゃんと便所で排尿できたことをほめてやってください。
小学生になっても紙オシメを使っている子どもがありましたが、子どもの自尊心が芽生えてきたときのことを考えると、手がかかることを嫌がって欲しくないと思います。